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青空を怖いとおもふ花野かな 篠
あふむきのまま澄める日月 天気
自転車で行く地の果てに秋果てて ゆかり
今宵のあれはE.T.の影 苑を
着信の音に栗の実とり落し 痾窮
四本の手が鍵盤の上 らくだ
ウ 天窓を虹はみ出して絡まつて 恵
逢瀬のたびに渡る吊り橋 篠
山寺へ性の奥義を教はりに 気
蛸入道の口も八丁 り
弾丸よりも早く走つてどこへ行く を
父母ゐますクリプトンまで 窮
訛つてもええやないかと冬の月 だ
みかん輪切りの仕出し弁当 恵
サイコロを振る一の目を願ひつつ 篠
アヌスはちよつと洒落た言ひ方 気
花万朶散らさぬやうに喇叭吹く り
労働祭の原宿の朝 を
ナオ 春眠の我が身を過ぎる砂嵐 窮
駱駝の揺れにやうやく慣れて だ
現場から凶器の南部風鈴が 恵
中継車には冷房もなく 篠
いふなればリレーの補欠的な人 気
エントロピーのありありと見え り
ほろ苦き我が家秘伝の熱冷まし を
蒲団の襞をなぞる後朝 窮
ウェディングドレスはなんと森英恵 だ
バルセロナへと向かふ秋蝶 恵
ジプシーに百年前と同じ月 篠
虚実の格差身に入む部屋に 窮
ナウ おとうとの秘伝のだしのちやんこ鍋 り
鬼太郎の下駄マッハで遁走 恵
いかがでしょうか。
お捌き下さい。
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